フリーランスとして独立開業された、
とある個人事業クライアントさんのお話をさせてもらいます。
この人、なかなか、すごいでっせ。
1年目にして、
売上、2千万円超、
利益は、約1千万円!!
しかも、特筆すべきは、
預金残高を(銀行借入金一切ナシで)利益と同額程度まで
増加させはった、ちゅうことですねん。
普通、計算上の利益(損益計算書上の利益)は発生しとっても、
正味(お金)としては使ってしもうて残ってへん、
って人が多いですやん。
でも、この人の場合はチャイ(違い)ましたわ。
このお客さん、
ぼくと出会った当初は
「とにかく数字が苦手で・・・」
という所からのスタートやったんですわ。
そこから、
ぼくとの闘いの日々が始まりました。
普通、税理士に頼んだら、
面倒くさいことは全部やってもらえる、
と思ってはる方もおられるかも知れまへんけど、
ぼくの場合は、
ちゃいますねん。
顧問料をちゃんともらっているクセに、
お客さんには
めちゃめちゃ作業をやらせますねん(笑)
事業規模が大きくなったら話は別ですけど、
起業間もないころや、
数字や会計が身についてへんのやったら、
まずは、自分で覚えんと、頭に叩き込まんと、
アカンのですわ。
- 毎日、現金出納帳を記録する
- 預金の入出金データに詳細なメモを入れる。
- 請求書や領収書を惚れ惚れするくらいに美しく整理する。
- 売上管理を徹底的にやる。
- 売上と対応する原価をバチっと合わせる。
- 債権債務管理を徹底する
- 会計ソフトにバリバリ入力していく。
- チェックが一番大事。常にチェックを心掛ける
せやけど、最初からはこんなん出来まへんし、
ぼくとしても、
どういう取引が発生するのか、
ややこしい点があるかどうか、
そんなことを先に詳しく知っておきたいんで、
最初の数か月はぼくがまずやってみせて、
そのうえで、本人さんにやってもらうんです。
本人さんに引継ぎをした当初は、
何度もぼくの事務所まで来てもらい、
ぼくのデスクの目の前にあるミーティングテーブルで
作業をさせました。
でも、イチイチ見張っている訳にもいかんので、
ぼくは全然ちがう仕事をしているんですけど(笑)
ただ、ぼくからやり方の引継ぎを受けたとは言え、
最初は分からへんことが多いやろうからと思って、
まるで【居残り補習を受けてる生徒】っちゅう感じで、
敢えて、ぼくの目の届く範囲で作業をしてもらいました。
で、分からへんところがあったら遠慮は無用やから、
ショーモナイことでもなんでも、
バンバンと聞いてきなさい、と。
しかも、ぼくの場合、
ちょっとオカシイかもしれませんけど、
【とにかく、ぎょうさん、間違いや~】
って、伝えるんですわ(笑)
なんでかって、
ぎょうさん間違えれば間違えるほど、
ぎょうさん覚えてカシコになりますからね。
せやけど、
いつまでもそういう訳にはいきまへんので、
自分でよく調べもせんと
「分かりません」って言うてくると、
突き放しますねん(笑)
「ほら、前月にも同じような取引があったやん。
それ、ちゃんと見返してみたんか?
自分が過去に作った資料や会計データも、
れっきとした参考資料になるんやで。」・・・ちゅう感じで。
あと、教えてあげてもメモを取っていない場合は、
「人に教わるときは、メモをせんかい!」
って雷を落としますねんwww
あ、これ、
はじめてのお客さんに面談させてもらうときでも、
ぼくは、結構チェックしていますねん。
手帳とペンを目の前に出しているかどうか・・・。
そういう準備がある人とそうでない人とでは、
本質的に全然ちがう。
そやから、言うたりますねん。
「賢いアタマでんなぁ、
分からんから相談に来てはるんでしょ?
せやのに、メモも取らんでよう理解できますなぁ」と(笑)
そういや、以前、「簿記教室」の講師をやっていた時、
電卓を持ってこずにケータイの電卓で計算しとるド〇ホがおったので、
「なめとんか・・・」と。
とまぁ、今回ご紹介したお客さんは、
ほんま、会計なんて分からん、数字が苦手ってところから、
ようココまで辿り着いたというか、
よう辛抱してぼくに付いてきてくれたなぁ、と思いますわ。
と言っても、まだまだビギナー社長さんやから、
この先、もっと色々と学んでもらわんとアカン。
まだ手を緩めるわけにはイカンのぅ~(笑)
でも、成長して下さる姿は、ホンマ、うれしいですわ。
自分事のように、うれしい。
顧問先さんは、大切なお客様です。
はい、これは揺るぎのない事実です。
そやけど、
顧問先さんを、額面通りそのままにお客様扱いすることが、
常にベストな選択とはちゃいます。
いくらお客さまとは言え、
ときには、厳しく申し上げないとアカン場面も、
実際にはぎょうさんあります。
むしろ、今のように景気が厳しい時代では、
改善せんとアカンことも多く、
今のままのやり方やったらアカンってことも多く、
そうなると、
自ずと、厳しい事を伝えないといけなくなる。
そやけど、そのキビシイ言葉の根底には、
相手への最大の敬意と愛情を込めて・・・。
中にはナンボ言うても、
ちょっとカネが入ったら飲み食いに使ってしまって、
「なにしてまんねん、来月の返済どないするねん!」
っていうイタタな社長もいはるけど、
それはそれで「出来の悪い子ほどかわいい」じゃないですけど、
キライではないなぁ、そういう人も。
要するに、
ぼくが思うところの「お客様」って、
世間一般で言うそのままの意味やなくって、
そのコトバが持つ意味よりも、
もっともっと近しい関係の、
そして、
そのコトバ以上に、めっちゃ大切にしたい相手
・・・って感じなんですわ。
伝わりますかな?
ん? 分からへん?(笑)
でも、そんな感じですねん。