1.役員報酬の改定はいつまで?
中小企業の場合、
「毎期の業績に合わせて役員報酬を設定できたらいいのになぁ」
って思うことはよくあります。
ただし、税法では
(注)
取締役が代表取締役に就任した場合の期中での増額、
経営状況が著しく悪化した場合の期中での減額は認められます。
よって、
中小企業にとっては至難の業とも言える<業績予想>をした上で、
役員報酬の額をうまく設定しないと、
ということも起こり得る訳です。
2.税法をよく読んでみると
税法では「通常の改定は期首から3か月以内」と書いています。
一般的な事業年度は1年間なので、
「1年間の中で期首から3か月以内の改定(=1年間の中で改定のタイミングは1回だけ)」
なお、通常の役員報酬のことを「定期同額給与」と呼びますが、
税法には次のとおり書いてあります。
法人税法施行令第69条(定期同額給与の範囲等)第1項第一号
イ 当該事業年度開始の日の属する会計期間の開始の日から
3か月を経過する日までにされた定期給与の額の改定
(はこれを損金として認めまっせ!)
と言うことは・・・
1年間の中で期首は「2回」存在することになります。
となる訳です!!
なお、変更の手続きとして必要なことは
(登記変更は必要ありません)
3.会社の業績が6か月間ならば見通せる?
1年間の業績の見通しが難しい場合でも、
6か月間ならある程度は見通せる、ということもあるはずです。
たとえば、不動産売買の仲介業や生命保険の代理店業などのように、
固定的な売上が(ほぼ)ない業種の場合、
毎期の期首では売上がゼロスタートとなるので、
なかなか1年間の業績が見通せないことも多いでしょう。
しかし、その業績に合わせた役員報酬を設定したいならば、
事業年度を6か月間に変更することも1つの方法なのです。
実際に、半年決算法人は存在していますし、
当然、違法でもありません。
国税庁の直近の統計データによれば、
1年決算法人の数、半年決算法人の数は次のとおりです。
半年決算法人の数は
1年決算法人の1パーセントにも満たないですが、
日本の企業の大半は中小企業ですから、
この内容をもっと多くの社長や経理担当者が知れば、
半年決算法人に変更する会社はもっと増えるかもしれませんね。
もちろん、事業年度を短くする訳ですから、
半年ごとに決算と税務申告を行う手間は発生し、
税理士に支払う決算報酬も年2回必要となります。
しかし、これは経費にもなるので、
この負担を考えても、
役員報酬を改定する自由度が上がるメリットは大きいのです。
毎年の役員報酬の設定で頭を悩ませておられる経営者さんは、
ぜひ、この対策をご検討してみてくださいね。
追伸
金銭以外の経済的利益による役員報酬(生命保険料や社宅家賃など)
が発生する場合もあり得ますが、
これらが期中で発生したとしても
「期首から3か月以内に改定しなければならない」
という規定は適用されません。
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