医療費の支払額の計算で、間違いが多い点が1つあります。
それは、入院・手術に伴い、生命保険金を受け取った場合です。
もらった保険金は、払った医療費から控除しなければいけない、
・・・これをご存じの方は多いかと思います。
問題は、保険金を医療費から差し引く際の計算です。
【例】
○A病院で手術入院して40万円支払い、
保険会社から45万円の保険金を受け取ったとします。
(払った医療費以上に保険金が降りることは珍しくありません)
○B病院では、A病院の手術入院とは全く関係のない目の治療で通院しており、
年間15万円を払ったとします。
○C病院では、これもA病院の手術入院とは全く関係のない、
糖尿病の治療などで年間10万円払ったとします。
【集計】
・A病院 支払40万円、受取保険金45万円
・B病院 支払15万円
・C病院 支払10万円
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(合計) 支払65万円、受取保険金45万円
このケースの場合、
支払総額65万から受取保険金45万を引いた20万円を
年間医療費としている方が意外と多くおられます。
しかし、受取保険金は、A病院の40万円に対応するものですので、
全体から差し引く必要はないのです。
よって、正しくは・・・
・A病院 支払40万円、かつ、受取保険金40万円(←実際は45万ですが支払額を上限とします)
・B病院 支払15万円
・C病院 支払10万円
(合計) 支払65万円、かつ、受取保険金40万円
・・・となり、結果、65万-40万=25万円が年間医療費となります。
つまり、生命保険金を受け取った場合は、
その保険金と直接対応する医療費との【個別対応性で考える】
ということなのです。
安易に、全体の医療費からドンと引かないようにして下さいね。
※なお、話の簡便化上、割愛しましたが、
医療費控除となる額は、年間医療費から10万円等の一定金額を差引きし、
その残りが対象となります。