法人・個人事業を問わず、
経営者は会計とは無関係ではいられません。
日々の会計処理・月次試算表・決算書など、
色々な場面で会計は登場し、
そして、経営者にその理解能力と読解力を求めてきます。
書店、あるいは、インターネットショッピング上には
といった具合で、
経営者向けの会計や決算書に関する書籍が山ほどあります。
どの書籍も
というキャッチーなタイトルで
経営者(読者)の関心を集めようとしていますが、
しかし、
この手の本が山ほどあるということは、
裏返して言えば、
それだけ会計や決算書は難しいと言うことの証拠
でもあるのです。
会計が難しいとされる理由は沢山あるでしょうが、
私が思うその理由の1つは、
実務的な面ばかりに目を向けすぎて、会計の面白さを知らない
という点です。
では、
「会計の面白さとはナンゾヤ???」となるのですが、
<ローマは一日にして成らず>と同じで、
何ごとにも歴史があり、
もちろん、会計にも歴史があります。
今、我々が取り組んでいる会計は、
もともと、ベニスの商人がやっていた経理法が起源です。
それをルカ・パチオリ(パチョーリ)という人が本にしたことで、
世界へ広がっていくこととなりました。
みなさんが「1年間」と当たり前のように思っている【会計期間】も
昔は1年ではなく【1航海】を会計期間としていました。
王様に出資してもらい、航海を通じて商売をし、
帰国後に王様に報告書を提出して利益を分配する、
・・・そういう航海時代も今の会計の背景になっています。
その後、産業革命により機械化が進み、
固定資産・減価償却という考えが生まれ、
徐々に現代の会計の形に近づいていくのです。
どうですか?
ちょっと興味がわきませんか?
もし「ちょっと面白いかも・・・」と思われる方には、
私のイチオシの1冊をご紹介します。
友岡 賛 著
歴史にふれる会計学
有斐閣アルマ
会計の歴史書は絶対数として非常に少なく、
しかも、その歴史的な成り立ちと発展について、
これほどまでにコンパクトにまとめあげた本は
結構珍しいのです。
顧問先の経理のオバチャンも「これ、面白いわぁ」と仰っていました(^^)
会計のことを「無味乾燥した存在」だと思っている方、
数字が苦手で仕方がないという方、
そんな方ほど、
この1冊を通じて、会計の歴史ロマンに触れてみて下さい。
この1冊を読み終えた後には、
日常的に向き合ってきた試算表や決算書の数字に対する印象が、
変わると思いますよ!
なお、あくまでも私の個人的なオススメの1冊ですから、
当然、好き嫌いはあるかと思いますが、
ぜひ、この本を手に取って、会計の歴史の面白さを知って頂ければ嬉しいです。